アトラクス赤道儀の電源ケーブル修理2023年09月08日 13:38

アトラクス赤道儀の電源コードについているシガープラグが破損してたので、すぐに直せると思っていたのですが、これがまた一騒ぎでした。替えのシガープラグをはんだ付けする際に自分の思い込みで下のようにつないでしまいました。黒がセンターなのはちょっとおかしいなあと思いつつも、黒線の方が長かったのでこのようにしてしまったのです。今にして思えばここで気づくべきでした。


はんだ付けが終わってシガープラグをバッテリーのソケットに差し込むと、赤道儀側の接続プラグのあたりから「チチチチチ」といやな音かします。すぐにバッテリーからシガープラグを引き抜きましたが何か焦げたようなにおいがしてきます。
これはどこかショートしたに違いないと思い、電源ケーブルを取り外してテスターで調べてみると抵抗がほぼ0Ωです。どこがショートしているのだろうとケーブルを曲げたりプラグをねじったりして見たのですがわかりません。もうココしかないということで赤道儀側のプラグを分解してみました。



よく見ると小さなダイオードが黒白の線の間に入れてあり、焦げて割れていました。ここが原因でした。電源ケーブルの間に入れるダイオードといえば逆接続保護用ダイオードです。そういえばシガープラグにする前はバッテリー側はミノ虫クリップでヒューズが入っていたことを思い出しました。本来は逆接続にするとダイオードに大きな電流が流れ、その瞬間ヒューズが切れるしくみです。ところがヒューズを取り去ってしまったためにダイオードに大電流が流れ続け、焼け焦げてしまったというわけです。

原因がわかったのでショートしたダイオードを除去し、シガープラグの黒白線を正常な白色センターに直しました。おっかなびっくり電源を赤道儀に接続すると今度は無事に動き出しました。コントローラーが壊れていないか心配しましたが、何とか大丈夫だったようです。それにしてもこんな小さなプラグの中にダイオードを入れるとはビクセンも考えたものです。

アトラクス用PCの再インストールが大変だった2023年09月05日 11:43

先日修理したアトラクス赤道儀ですが、今度は制御用のPC(Let's note CF-S10)がトラブルを起こしてしまいました。このPCはもともとWin7機なのですが、無償アップグレードでWin10にして使っていたものです。



実は以前から少し問題がありまして、いざ使おうとするとWin updateが始まりマウスも動かなくなるような状態に度々陥っていたのです。それをだましだまし使っていたのですが、ついにupdateで失敗しては再起動を繰り返すようになってしまいました。また、惑星の動画撮影をすると、オリジナルのSSDが128GBしかないため1時間も録画できない状態で、いずれSSDの容量を増やしたいと考えていたのです。
それで、今回はまずPCを正常な状態に戻し、それを500GBのSSDにクローン移植するという方針でやってみることにしました。

まずWin10のままWin updateが正常にできるようにならないか色々やってみたのですが、結局だめでこれで1日目が終わりました。

次にインストールしてあるソフトを諦め、Win10を再インストールしてみたのですが、何度やってもWin10が正常に起動しません。どうもWin10のファイル自体が壊れてしまったようです。これで2日日が終わってしまいました。

それでWin10は諦め、オリジナルのWin7に戻すことにしました。updateが終了しているのでセキュリティの問題はありますがネットサーフィンをするわけではなく、updateに悩まされなくなるのはむしろメリットと考えました。
Win7の再インストール自体は問題なくできたのですが、困ったのはIEがすでに起動しなくなっており手も足も出ないことです。やむなく他のPCでGoogle Chromeのインストールファイルをダウンロードし、何とかネットにつながるようにしました。ところが喜んだのもつかの間、今度はソフトの一部がインストールできません。どうもWin updateが行われていないことが原因のようです。現状コントロールパネルからはどうやってもWin updateができません。これで3日目が終わりました。

調べてみるとWindows update カタログというダウンロードサイトからいくつかの更新プログラムをダウンロードすればソフトが動くのではないか、という情報があったのでやってみましたが結局だめでした。もう一台のWin7 PCで見てみると更新プログラムはざっとみても200個ほどもあり、これを一つ一つマニュアルで入れて試してみるのは不可能と思いました。これで4日目が終わりました。

Win7の更新プログラム自体をまとめてダウンロード・インストールする方法があるのではないかと調べてみました。それがあったのです。wsus offline update というフリーソフトです。これで更新プログラムをダウンロードしてみました。何と7時間もかかりました。容量は7GBほどになります。インストールにも1時間以上かかりました。これで5日目が終わりました。

更新プログラムをインストールしたPCにインストールできなかったソフトを入れてみると今度はすんなり入りました。素晴らしい!! さらにコントロールパネルからのWindows updateもできるようになり、残りのupdateも行いました。他のソフトの様々な設定を行い、アトラクスに接続してみると問題なく動くようです。良かったー これで6日目が終わりました。

後はこれを500GBのSSDにクローンするだけですが、ここでまた引っかかりました。クローンはだいたいうまくいったようなのですが、SSDをクローンに交換すると画面の表示(解像度)がおかしいのです。いろいろやってみましたが、正常な状態になりません。やむなくこの状態で再びWin7のクリーンインストールからやり直すことにしました。幸いなことに回復パーティションもきちんとクローンされており、再インストールは問題なくできました。これで7日目が終わりました。


再び wsus offline update からやり直しですが、すでに更新プログラムはダウンロードされているので、オリジナルのSSDからコピーしたものを使ってインストールしました。この後Win updateを行い、また各ソフトのインストールと設定をやり直しました。これで8日目が終わりました。

そして本日、アトラクス赤道儀に接続して動作確認をしようと思っていたのですが、電源プラグが破損していることが判明、これを修理しなくてはなりません。おまけに腰が痛くなり、今日はアトラクスを組み立てることができそうもありません。いずれにしてもまだ当分夜の天気は良くないようです・・・

長々おつきあいいただきありがとうございました。

アトラクス赤道儀のウォーム調整2023年06月22日 14:31

超新星SN 2023ixfを撮っていたときにアトラクス赤道儀が動きがおかしかった件で、今日はちょうど雨も降っているのでどこまでできるかやってみました。
アトラクス赤道儀はビクセンが今から30年程前に生産していた赤道儀で、両軸パルスモーター、±4秒のピリオディックモーション、赤緯体が分離できるデザインで当時ビクセンのフラッグシップ機でした。これを12年ほど前にようやく手に入れ、しばらくDOG-NS-5000で使っていましたが、あるとき突然動かなくなってしまいました。調べてみるとグリースが劣化しているところに高速導入を繰り返したためギヤが焼き付いてしまったのでした。
困っていると運よく以前EM-100の改造でお世話になったK-ASTECがアトラクスの新型モーターによる改造を始めるということですぐにお願いしました。
出来上がってきたものは本当に素晴らしく、これまでほとんどトラブルはありませんでした。下がその赤経モーター部分です。


問題は赤経ホイールとウォームのあたりが強く、微動やガイド撮影で動きがピョンピョン跳ぶ感じになることです。冬の間は感じなかったので、おそらく暖かくなってホイールがわずかに大きくなり、ウォームとの隙間がなくなったのでしょう。
モーターを取り外し、ウォームを直接回してみると確かに遊びがなくてきつい感じがします。それにグリスも硬くなっているようです。
そこでウォームブラケットのねじを緩め、軽く押し当てるようにしてあたりを調整し、わずかに遊びがある程度で固定しなおしました。試験運転ではいい感じで動いていました。あとは本番で実際の星の動きを見てみたいと思います。しかしこの天気ではだいぶ先に行きそうです。それからいずれグリスの交換もやらなくてはいけません。

250mm望遠レンズの工作2022年09月04日 14:27

8月19日にパンスターズ彗星の撮影をしたのですが、このとき使用したMAMIYA APO-SEKOR Z 250mmは手持ちのレンズの中でも思い入れのあるものです。メインで使っているタカハシSKY90よりももう少し写野の広いレンズが欲しいと思っていたところ、このレンズが非常に優秀且つ中古で安くなっているということをK-ASTECさんの記事で知りました。そして手に入れた「最初の1本」はレンズがカビていたのですが、これをもとにしてEOS用のアダプタを作成したり、鏡筒バンドを入手したりと役には立ちました。その後手に入れた「2本目」はレンズに非点収差があり、次の「3本目」も輝星がおむすびのようになってしまい、そして「4本目」となる現在のものは多少うすぐもりはあるものの、フルサイズ全面で十分納得のいく星像が得られます。以前タカハシのFS-60CB+レデューサ(255mm)と撮り比べてみましたが、周辺では完全にMAMIYAが優秀でした。元々6×7判用で発売当時30万近い値段だったのですから当然といえば当然です。

前置きが長くなりましたがこのMAMIYAにはいくつか課題がありまして、一つは鏡筒が重く落下の心配があること、ファインダーがないため導入に苦労すること、そして鏡筒バンドの前側が鏡胴の直径と合っていないため役に立っていないことでした。・・・でいろいろと思案していたのですが、おもちゃ箱にファインダーの台座部分とアルミアングル材の切れ端を見つけ、これを加工することにしました。いろいろと試行錯誤をして最終的に下の写真のように加工しました。つや消しの黒で塗装したので見栄えもまあまあです。ファインダー枠の中のねじが同じ長さに見えるように目の位置を合わせ、中止に目標の星を入れるという使い方です。枠の中に見える範囲が概ねカメラの画角になります。



鏡筒バンドの前側は今までスポンジを当ててごまかしていましたが、90mmのバンドに対して鏡胴の前側の直径は80mmしかありません。何かいいスペーサーがないものかと以前から考えていたのですが、たまたま部屋にあった使いかけのセロテープが目に留まりました。測って見ると直径も巾もちょうど良く、これを半分に切って塗装し、スペーサーとしました。


あまりに都合良く部品が見つかったので驚いていますが、これで前から懸案だったことが解決しました。ファインダー台座は持ち手代わりにもなり、赤道儀への取り付けが安心してできるようになりそうです。あとは天気が安定して撮影に行けるようになるのを待つばかりです。


CMOSセンサーのクリーニング2022年03月29日 17:09

今年に入ってから家庭事情等もあって一度も撮影に出かけられていません。こんな時は機材の整備ですが、これまでカメラのCMOSセンサーの清掃はシルボン紙+アルコールやペタンコ棒を使っていました。しかしなかなか思うような結果にならなかったので、今回この「スワブ」を試してみました。


これはなかなかいいです。白いモニター画面を150mmF22で撮影してみるとほとんどダストは残りません。APS-C用なのですがフルサイズでも問題なくきれいになりました。また、使い捨てということにはなっているのですが、次回まで取っておいて仕上げの前の清掃に使えそうです。なかなかいい買い物をしたと思っています。問題は撮影に行けないことです。