北朝鮮FM放送の追加情報2021年05月25日 17:34

5月20日にピョンガンのFM放送が無変調かもしれないということを書いたので、改めて北朝鮮のFM放送について調べてみました。3月24日のブログで「北朝鮮のラジオ局のリスト」について紹介しましたが、それを裏付ける資料やさらにくわしい情報がないかといろいろ探したところ、「統一のこだま」のHPが見つかりました。


これによると、短波の3波のほかに、97.8MHz 97.0MHz 89.4MHzで放送しているということなので、この3つのFM周波数が「統一のこだま」のものであることが確認できました。ですが出力や放送局の場所などの情報はこのHPにはなさそうです。
その後見つけた韓国版wiki「統一のこだま放送」のページでは、休戦ライン近くの開城(ケソン) 元山(ウォンサン) 熊津(ゴムナル)などに送出設備があると書かれています。ただし短波なのかFMなのかはわかりません。また、放送は午前7時~9時に本放送を行い、午後1時~3時と午後9時~11時に再放送をするようです。FMの場合はこの間無変調のキャリアのみを送出している可能性があります。
なお、別の資料で「統一のこだま放送」は2012年12月1日に中波2波、短波2波、FMの97.8MHzで始まり、2016年12月21日に中波での放送をやめてFMに切替え、現在の周波数体制になったことがわかりました。

関連して平壌放送と平壌FM放送について調べたところ、2011年に平壌におけるFM放送の記事で平壌FM放送が105.2MHz、平壌放送が89.2MHz~106.5MHzの間の13の周波数で同一内容を放送していると書かれているものがありました。韓国版wikiの「平壌放送」によれば、現在平壌放送は中波3波、短波2波、FMは92.5MHz 92.8MHz 93.6MHz 103.7MHzで1日23時間30分放送されており、送信所は開城(ケソン)  沙里院(サリウォン) 海州(ヘジュ) 平康(ピョンガン)の4カ所で、内容の40%が対南誹謗放送と書かれています。
また、平壌FM放送については韓国版wiki「平壌FM放送」によると周波数は92.5MHz 103.7MHz 106.0MHzで、音楽番組が多いものの内容的には宣伝放送で、1日に21時間、休日などは24時間の放送もしているようです。
92.5MHzについては両方の局に併記されているので、実際に内容を聞いてみなければどちらかわかりませんが、「統一のこだま」を含めて周波数や放送内容はそのときの事情で色々と変更されるようです。
この数十年、北朝鮮と韓国の間では互いに宣伝放送を続けており、都合の悪い放送が自国で聞けないように強力な妨害電波を出しているため、国境の近くでは通常の放送の受信がたいへん困難な状況にあるようです。

現在FROで使用している電波がどこから出ているのか、出力は実際どのくらいなのか、どのように運用されているのかを知りたいと思って調べてみましたが、残念ながらまだはっきりしないことが多いです。

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