トライバーティノフマスクが届きました2024年12月24日 21:15

以前から課題だったSC-235L(C9.25)の光軸調整の問題を何とかしようと、今回英国からトライバーティノフマスクを取り寄せました。その課題というのはシュミットカセグレン全体に言えることですが、鏡筒をある方向に向けた状態で光軸をしっかり合わせても鏡筒の向きを変えると光軸が狂ってしまうという点にあります。今回購入したマスクを使えばセカンダリーミラーの調整ねじとトライバーティノフマスクの方向を合わせおくことで鏡筒の向きを変えても比較的簡単に光軸調整を行えるのではないかと考えたわけです。下は届いたマスク(黒色)と3方向のうち1方向の光条だけが見えるようにするためのカバーです。



まだ実際使ってみたわけではないので効果のほどはわかりませんが、期待通りに働いてくれることを願いたいです。

赤経は何とかなったけれど・・・2024年12月06日 11:47

昨晩は室内で調整したATLUX赤道儀を外に出して実際の恒星の動きをチェックしてみてみました。するとコントローラーを操作したときの赤経のバックラッシュが思いの外大きく、暗闇の中で再調整することになってしまいました。
まあまあな感じになったので東の空のM1(かに星雲)を使ってテスト撮影をしてみたたのが下の画像ですが約2時間(3分×40枚)の中には赤経方向(横方向)でガイドが大きく乱れたものは見当たりませんでした。


ただ、赤緯方向(縦方向)にガイドか乱れたものが7~8枚見つかりました。


赤緯は少し遊びが多い感じがしていたのですが、たまたまその方向から風が吹いたときにガイドが流れたようです。これも調整をする必要がありそうですがあまりギリギリにするとステッピングモーターが脱調することがあるので難しいところです。
いずれにしても画像を見ると光軸がずれて右上の隅などにコマが発生していますのでこれも何とかしなくてはいけません。

ATLUX赤道儀の再調整2024年12月05日 15:02

12月8日の土星食が近づいているところですが、先日嬬恋の撮影でATLUXの赤経が暴れる現象が起きていたので赤経ウォームの当たりを再調整することにしました。
まずヘキサレンチ2個を時角表示板の穴に差し込み表示板を回転しながらさらに深く刺さる場所を探します。うまく入ったらカニ目の要領で回してやるとがっしりとした極軸望遠鏡が外れます。



その後前後のプレートを外すとウォームホイールと駆動部が見えてくるのですが、今回は駆動ユニットを完全に外してみました。


本来のATLUXの駆動系は二重ウォームギアなのですが、以前自動導入中に焼き付きを起こして動かなくなってしまいました。その後K-ASTECさんに改造してもらった新たな駆動系は元のスペースにぴったりと収まるシンプルな構造で素晴らしい設計です。これでATLUXは生まれ変わりました。
実際のウォームの当たり調整は裏側から駆動系を固定している2本のねじを緩め、手で押さえる力を加減しながら行います。


今回は実際に鏡筒を載せてそれを揺らしながら調整してみたところ、ほぼ赤緯と同じバックラッシュになったので今回はこれで様子を見ることにしました。
また、以前コントロールケーブルのコネクタロックを紛失してしまい、クリップのバネを使って代替したことを記事に書きましたが、そのままではバネが滑ってしっかりロックできないことがわかったため、バネの部分に熱収縮チューブをかぶせたところいい感じになりました。


具合の悪いところや不便なところを色々工夫して解決できたときはなかなかうれしいものです。

アトラクス赤道儀のコネクタ修理2024年05月26日 20:24

先日の観測でアトラクス赤道儀のコントロールケーブルコネクタについているスプリングロックの片方がなくなっていることに気づきました。


片方だけでも大丈夫だろうと思って使っていたら途中で外れてしまい、これは何とかしなくてはということになりました。しかし同じ型のコネクタを買ってスプリングだけ付け替えるのももったいない・・・何か代用できるものはないかと考え思いついたのがこれです。


偶然にもスプリングの取り付け部分の構造は全く同じです。アトラクスのコネクタに取り付けてみるとぴったり!!!


あとはきちんとロックするかどうかですが、オリジナルのようなくびれはないものの、スプリングがカチッと嵌まって全く問題はありません。


オリジナルのスプリングはやや弱く、なかなかロックできなくて指が痛くなる欠点がありましたが今度はスプリングが強く長いのでとても楽です。オリジナルよりもよほど良いものになりました。アトラクスユーザーにはお勧めです。

アトラクス赤道儀の電源ケーブル修理2023年09月08日 13:38

アトラクス赤道儀の電源コードについているシガープラグが破損してたので、すぐに直せると思っていたのですが、これがまた一騒ぎでした。替えのシガープラグをはんだ付けする際に自分の思い込みで下のようにつないでしまいました。黒がセンターなのはちょっとおかしいなあと思いつつも、黒線の方が長かったのでこのようにしてしまったのです。今にして思えばここで気づくべきでした。


はんだ付けが終わってシガープラグをバッテリーのソケットに差し込むと、赤道儀側の接続プラグのあたりから「チチチチチ」といやな音かします。すぐにバッテリーからシガープラグを引き抜きましたが何か焦げたようなにおいがしてきます。
これはどこかショートしたに違いないと思い、電源ケーブルを取り外してテスターで調べてみると抵抗がほぼ0Ωです。どこがショートしているのだろうとケーブルを曲げたりプラグをねじったりして見たのですがわかりません。もうココしかないということで赤道儀側のプラグを分解してみました。



よく見ると小さなダイオードが黒白の線の間に入れてあり、焦げて割れていました。ここが原因でした。電源ケーブルの間に入れるダイオードといえば逆接続保護用ダイオードです。そういえばシガープラグにする前はバッテリー側はミノ虫クリップでヒューズが入っていたことを思い出しました。本来は逆接続にするとダイオードに大きな電流が流れ、その瞬間ヒューズが切れるしくみです。ところがヒューズを取り去ってしまったためにダイオードに大電流が流れ続け、焼け焦げてしまったというわけです。

原因がわかったのでショートしたダイオードを除去し、シガープラグの黒白線を正常な白色センターに直しました。おっかなびっくり電源を赤道儀に接続すると今度は無事に動き出しました。コントローラーが壊れていないか心配しましたが、何とか大丈夫だったようです。それにしてもこんな小さなプラグの中にダイオードを入れるとはビクセンも考えたものです。