月曜未明のエコー増加が消えた原因2023年04月17日 12:25

89.4MHzでは3年前の観測開始から一つ問題点がありました。それは月曜日の1時台から3時台についてエコーが通常よりも3~5割ほど増加してしまうという現象です。RMOBグラフで見ると下のようにエコー数が突出してしまいます。


そのためこの時間帯では1時間ごとのHROFFTファイルのうちエコーが多い方から2ファイルを削除して再計算していました。そうすると下のように概ね違和感のないカーブになるからです。


このエコー増加の原因については他の放送局が放送休止となってキャリアが送信され、その影響でエコーが増加するのだろうと考えていましたが、以前89.4MHzの周波数が250Hzほど下がったときにこれで他局の影響がなくなるかと思ったら、ほとんど状況が変わらなかったのが不思議でした。

ところが先週の月曜日からこのエコー増加が見られなくなったのです。下は先週の月曜日と今朝(月曜日)の無修正のRMOBグラフです。



まだ2週間だけのことなので断定はできませんが、このエコー増加が見られなくなったのは4月8日にSDR#のカーソルを動かし、エコーが大幅に増加した後からなのでどうもこれが関係しているように思えます。

あくまでも推測ですが、これまでは隣接する放送局の変調された電波によって感度が抑圧され本来のエコー数よりも少なくなっていたのが、月曜未明にそれらの局がキャリアとなるとこの抑圧がなくなり本来のエコー数に戻ることで、これがエコーが増えたように見えたのではないかということです。だとすれば89.4MHzの周波数が250Hz下がったときに特に変化がなかったことや、この時間に他局の電波によると思われる少しずれたエコーが見られなかったことも説明できます。

いずれにしても今回のことはとても喜ぶべきことです。そしてSDRでは少なくともFM帯のように混信の激しい周波数ではカーソルの位置によって感度が変わるということは間違いなさそうです。SDRの構造は本格的な無線機に比べると非常に単純なので、内部で色々な干渉があったとしても不思議ではありません。これ以外にもまだまだ何かありそうな気がします。