6月末までのエコー数の推移等について2021年07月01日 17:32

これまでEs等でデータが取れなかった場合、推定値を入れてRMOBのカラーグラフを表示していました。しかし、6月末にはEsが連日長時間発生し、リアルタイムでの補間処理が困難になったこと、推定値が多く入ったRMOBデータはその後の利用がしにくくなること等を考え、データの取れなかったところはブランクのまま表示することにしました。多少見にくくなりますがご承知ください。以下は6月30日(7月1日午前9時)までの結果です。


なお、下のRMOB Surveyによるエコー数推移のグラフはこれまで通りデータの欠落した部分を推定値で補って表示しています。

▽関西VOR(111.8MHz)
6月上旬にピークとなり、その後減少していますが、全体としてエコー数の多い状態が続いています。関西VORはエコー数は他の2つに比較して少ないものの、流星群の活動期間がわかりやすいように感じます。


▽ピョンガンFRO(89.4MHz)
なめらかなカーブで6月上旬の昼間流星群までエコー数が上昇し、その後徐々に下がってきています。このあとペルセウス座流星群に向けてどのように変化していくのか興味深いところです。


▽ヨナンFRO(92.8MHz)
流星群のピークは捉えていますが、以前取り上げたように特に5月からピョンガンの半分程度のエコー数になったまま回復しません。何とか元の状態に戻ってくれるといいのですが。


チカロフスコエを継続観察中2021年07月05日 10:04

先月末、ラジオロシアは未明の時間帯は送信を停止しているようだと書いたのですが、ラジオロシアのホームページに24時間らしいことが書かれていたので、チカロフスコエ(72.08MHz)をFROで継続観察しています。結果は下のように本日(月曜日)の1:00~5:00は休止しているようですが、それ以外は24時間で運用されているようです。


チカロフスコエはダリネレチェンスク(69.32MHz)やノヴォジャトコヴォ(70.64MHz)よりも周波数が高いためかエコーも比較的多く、昨日には18個/Hという時間帯もありました。専用のアンテナを用意すればエコー数は2倍以上にはなりそうな感じがします。下は昨日の2:10のHROFFT画像です。


このバンドの良い点は混信となる局がほかにないことです。たとえEsが発生したとしてもHROFFTには中国などからの混信ではなく、そのものがEsによって届いている様子が見られるわけで、これはなかなか貴重だと思います。Esの前後には下のような状態がよく見られます。


周波数が通常のFM帯よりも低いので、Esの時間は長いようですが、他局の混信がないので、全体としての影響は同じくらいかと思います。月曜未明の送信停止時間はあるものの、工夫すればFROとして使えるかもしれません。

「日本と周辺のFM局一覧」を更新しました2021年07月09日 11:43

もともと自分用に作った一覧ですが、実際に使っていく中で必要な部分、あまり必要でない部分、新たに判明したことなどが出てくるごとに改訂を加え、今回で4回目になります。PDFはこちらです。http://sco.sakura.ne.jp/pdf/fro_76-107


今回の改訂は、5月27日にアップロードした76-107MHz帯の一覧をもとに、西日本でも使いやすいよう、福岡から1500km以内にある10kW以上の中国と台湾のFM局を新たに加え、韓国・北朝鮮については3kW以上にしました。ページ数(19頁)を増やしたくないので、国内の1kW未満のFM局については都道府県名のみの表記です。削除してもいいのかもしれませんが、混信の確認に必要かと思っています。また、ロシアのVHF帯についてはこのところのEsで確認できた3局だけに絞りました。
今回から地図で方角や距離がわかりやすくなるようにしてみました。関東地方と九州ではかなり状況が違ってくることがよくわかります。
周波数・出力等については複数の資料で確認をしていますが、ロシア・中国などはFM局の新設・変更が多いようです。日本では現在使われていない95~107MHz帯でもFROの可能な距離内には1つのチャンネルに数十局が存在しているということが調べて見てわかりました。なかなか一筋縄ではいきません。
国内はローカルの混信が激しいので海外局だけでやってみたいという方は、こちらのPDFをお使いください。http://sco.sakura.ne.jp/pdf/fro_87-107

ロシアバンド3局の状況について2021年07月12日 20:59

今月に入りロシアバンドの3局を継続して受信しています。その結果新たにわかったことがありました。まず下の表をご覧下さい。


最初に受信していたチカロフスコエ(72.08MHz)は前に取り上げましたが、月曜日の午前1時~5時の間は停波し、それ以外は通常の放送を24時間行っているようです。日周変化もある程度見て取れます。
6日から受信したノヴォジャトコヴォ(70.64MHz )は、午前1時~5時の間は毎日停波しているようです。1時台と4時台に入っているエコーは放送の終了後・開始前の数分間送信されるキャリアによるエコーと考えられます。
9日からのダリネレチェンスク(69.32MHz)では、毎日午前1時~5時はキャリアが送出されているようです。1時間あたり100を越えるエコーやロングエコーも見られます。HROFFT画面を下に示します。




まるで100kWの北朝鮮局を受信しているようですが、出力は4kWです。FM変調がかかっていなければ4kWでもこれだけのエコーが得られるということです。因みに3日間の午前1時~5時までの総エコー数は1095個、5時~9時までは22個でした。通常この2つの時間帯はだいたい同じくらいのエコーがあるので、キャリアにFM変調がかかるとエコー数は50分の1くらいになってしまうと言えそうです。これは日頃感じている印象に近いと思います。
それにしても同じラジオロシアなので運用形態も同じと思っていたのが間違いでした。FROに一番使えそうなのはやはりチカロフスコエでしょうか。