垂直偏波のFROに挑戦した結果2022年02月07日 18:17

FM局のほとんどは水平偏波ですが、一部には垂直偏波のFM局が存在します。ある程度の出力の局としては鹿児島県の種子島に79.3MHz(1kW)のNHK第一(補完)、82.3MHz(1kW)の南日本放送、84.4MHz(1kW)のNHK-FM、そして北海道の中標津に89.9MHz(1kW)のNHK-FMと、計4局があります。
水平偏波の電波に対してアンテナを垂直にした場合、およそ20dB減衰すると言われます。うまくすれば水平偏波局の混信を避けて垂直偏波局のエコーがはっきり取れるかもしれない・・・と考えたわけです。距離的にもそれぞれ1000km程度でまあまあのところです。ということで先月から試験用ライブシステムでこれらの電波を受信してきました。


結論から言いますと、4局ともそれらしいエコーはわずかしか入りません。また、他の局のものと思われるエコーがやはり入ってしまいます。下は89.9MHz(中標津)ですが、未明の時間帯に入っているエコーはアンテナを西に向けたときはさらに強く入ることから、同じ周波数の釜山のFM局(5kW)の電波よるものと思われます。


なぜ国内のFM局のエコーがあまり入らないのかということについては、やはり1000kmという距離に対しては1kWは弱いのでしょう。国内で5kWを越える局は数が少なく、関東地方から利用できる可能性があるのは札幌くらいしかないのが実状です。以前も試したことがあるのですが、うまくいった記憶がありません。まあまたやってみましょう。