最後?のポンス・ブルックス彗星2024年04月11日 11:46

昨日は全国的に天気が良く月齢は1.4で撮影には好条件でした。ただ、18:20の日没時に彗星の高度は22°、19:44の薄明終了で高度は5°しかありません。恐らく撮影可能な時間は19:00~19:40くらいでしょう。GPVではこの時間から薄雲が広がる予想でしたが運を天に任せるしかありません。日没頃には到着できるよう機材を準備して出発しました。撮影場所は4回目と同じ赤城山麓です。


案の定西から薄雲が広がってきていました。低空を狙う場合その方向に十分な晴天域がないと難しいものですがそんな日はそう滅多にはありません。今日は諦めるかと思っていると雲が次第に薄くなっていきます。慌てて機材の準備を始めましたがまだ北極星が見えません。やむを得ずだいたいの位置を合わせて作業を始め、終わった頃にやっと北極星が見えてきました。彗星はカメラのライブビューでも確認できましたが、薄雲は残っていてすぐそばにある細い月がぼんやりしたりはっきりしたりするのが良くわかります。


以前まではカメラの露出時間を1~2分で撮っていたのですが、これでは完全に露出オーバーです。15秒でもまだオーバーになってしまうので最初の20枚は望遠鏡にキャップをかぶせてダークを撮ることにしました。改めて日が延びたのだなあと感じました。その後本番を20枚撮り、さらに30秒露出を同じように撮ったのですが、流石にその頃には高度が下がっていい画像は得られませんでした。下は15秒露出のものです。詳しいデータはこちらで。


いつも感じるのですが彗星撮影はスリリングです。そしてそこが楽しいところなのかもしれません。月齢からポンス・ブルックス彗星の撮影は今回が最後となるでしょう。次はこの秋に接近する0等級の大物紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)です。ヘールボップ以来となるか期待したいと思います。