IC-7400でFT8ができるまで ― 2023年05月24日 20:08
私のメインリグはICOM IC-7400で、すでに購入して10年以上経つモデルです。最近のリグはUSBケーブルを直接つないで簡単にデジタル通信をすることができますが、IC-7400は背面の端子とPCをつなぐインターフェイスが必要です。それで比較的安価なOneChipDesignのハムスターST2にしました。ところがこれ一台でAFの入出力とPTT(送信)制御、CI-VによるPCとリグの周波数同期ができるかどうかよく確認もせずに注文してしまったため、届いてみるとやはりリグコントロールができませんでした。周波数はリグの方で変えてもいいのですが、WSJT-XなどのFT8用ソフトと周波数の同期ができないとログデータが間違ってしまう場合があるのでCI-Vの接続を何とか考えなくてはなりません。
そこでだいぶ前に使っていたインターフェイスが使えるかもしれないと思い、試してみましたが認識されません。デバイスマネージャーに表示されたPL2303HXAで検索してみると古いバージョンのドライバを使えば良いことがわかり、これを適応するとめでたくCI-VでWS-JTXとIC-7400の周波数同期ができるようになりました。同じ境遇の方は少ないと思いますがWSJT-Xの設定を下に示します。なお、IC-7400の海外向け製品名がIC-746proですのでそれを無線機に設定します。CAT制御のCOM4がCI-V用のデバイス、PTT方式のCOM3がハムスターST2になります。COMナンバーはデバイスマネージャーで確認してください。
これで何とかIC-7400とWSJT-Xがつながるようになったのですが、周波数同期用のインターフェイスはこの何年か引き出しの中に入れて置いたら何とケーブルがボロボロになっていました。よほど品質の悪いものを使っていたのでしょう(C国製?)。接続テストが終わってからこのケーブルを切断し、別のもの(SONY製モノラルオーディオケーブル)に交換しましたが、こちらの作業の方がよほど時間がかかってしまいました。
串本VORの送信機がまた切り替わった ― 2023年05月25日 09:31
串本VORの送信機が15日に切り替わったことを17日に書きましたが、今朝VORのデータを確認すると昨晩の23時頃からまたエコーがなくなっており、奇数月用の周波数に切替えるとまたエコーが入り始めました。
これで元の周波数に戻ったわけですが、心配なのは月末にまた偶数月用の送信機に切り替わるのか、あるいはこのままいくのかということです。それぞれの周波数が500Hzも違っていなければこんな心配はしなくてもいいのですが。ところで1日と18日にも長時間のデータ欠落がありますが、これはSDR#が止まってしまったためのものです。観測用PCのSSD換装を行ってからはHROFFTのハングアップはほとんど出ていませんが、代わりにSDR#が止まりやすくなっている感じがします。
気になる3天体 ― 2023年05月26日 20:57
おおぐま座のM101に超新星SN 2023ixfが見つかりました。発見者は超新星探索で有名な山形県の板垣さんです。すでにアストロアーツのHPには写真がたくさん載っていますが、私は気づくのが遅くてまだ撮影できていません。天気予報を見るとこの先あまりいい天気の日はなさそうで、なお且つ月齢もまもなく上弦になろうとしています。何とか撮りたいと思っていますが、かわりに2011年にM51に現れた超新星SN 2011dhの写真を載せておきます。
残りの2天体は彗星です。一つは紫金山-アトラス彗星(C2023 A3)で、この彗星は2024年の10月頃夕方西の空で0等級よりも明るくなると予想されているものです。もう一つは70年ぶりに回帰したポンス-ブルックス彗星(12p)でこちらは2024年の春頃に4等級の肉眼彗星になるといわれています。彗星というのは世の中があまり騒ぐと明るくならないらしいので静かに期待したいと思います。
VORにハイパスフィルタを入れました ― 2023年05月29日 10:54
アマチュア無線でFT8を運用するようになってからVORにノイズが出るようになってしまいました。下は50MHzでFT8を使っていたときのHROFFT画像です。
縦縞のノイズが見えますが、FT8では15秒おきに送受信を自動的に切り替えるのでノイズがこのような縞模様になります。他のHFバンドでも送信するとわずかにノイズレベルが上昇します。すでに89.4MHzと92.8MHzにはFM放送用のバンドパスフィルタを入れてあるので全く影響はないのですが、VORの場合エアバンド用のバンドパスフィルタが高額なのでそのままにしてきたのです。今回はそうも言っていられないので改めてネットを探すとアマゾンに安いのがありました。だめもとで購入してみたところ、どの周波数でもノイズがきれいになくなり、流星エコーにも影響がなく大成功でした。
上の左端が今回VOR用に入れたハイパスフィルタ、隣の2つはFM用のバンドパスフィルタです。実際にはF型接栓2個と中継コネクタなども必要ですが、一カ所500円くらいでしょう。今回は2個入なので試験用LIVEの方にも入れました。FRO用としても多分うまく働くのではないかと思います。アマチュア無線と電波観測の両立を必要とする方にはおすすめです。
再びEsが活発に ― 2023年05月30日 10:43
今月上旬のみずがめ座ηに合わせるようにEsが発生しましたが、その後しばらく落ち着いていました。ところが一昨日あたりからまた強烈なEsが長時間発生するようになり、昨日89.4MHzでは9時間分しかデータが取れませんでした。
また、昨日の昼前には串本VORでEsが確認されました。韓国のインチョンが入ることはよくありますが、距離440kmの串本がEsで入ってくるのは始めて経験しました。
18時過ぎには92.8MHzもフルスケールで強力に入ってきていました。そこで以前から確認してみようと思っていた92.8MHzの「何らかの変調」を試験用ライブでスピーカーから聞いてみました。FMモードでは無音でしたがUSBモードでは「ジュルジュル」という不規則なノイズが確認されました。また他の89.4MHzや92.5MHzでは予想通りシングルトーンでした。やはり92.8MHzは送信機器の不具合か調整不良があるようです。音源はこちらにありますが、音量に注意してください。
Esでは普段直接聞くことのできない朝鮮半島の電波を聞くことができる貴重な機会です。しかし、あまり頻繁に発生すると観測に支障が出るのでこれはこれで困ったものです。
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