89.4MHzにいたお化け2021年09月13日 10:35

月曜日の未明の時間帯(01:00~05:00頃)はいつもエコーが異常に増加して困っていたのですが、その時間からしてどこかの放送局の放送休止時間帯の電波と関係あることは予想していました。しかし、89.4MHzの放送局は関東方面にはなく、FM京都も考えにくいのでずっと疑問でした。ところが今朝はエコーの増加ではなく、まさにキャリアが連続して記録されていました。
Esのシーズンでもないので、これは近くの局が関係しているはずと思い、もしやと思ったことを調べてみたらこれがビンゴでした。


それは相互変調といって、強力な2つの周波数AとB(A<Bとします)があったときに、AとBの周波数の差をCとすると、増幅素子の非直線性のためにA-CとB+Cに本来ないはずの妨害信号(ゴースト)が発生するというものです。私の所とつくばの小川さんの画像を比較すると明らかに小川さんの方が妨害が強いので、これは東京方面の強力なFM局だろうと思って周波数を調べてみると・・・ありました。スカイツリーから放送されている90.5MHzのTBS(7kW)と91.6MHzの文化放送(7kW)です。その差は1.1MHz、TBSの90.5から1.1を引くと89.4MHzぴったりです。
念のためにそれぞれのタイムテーブルを調べてみると、TBSが1:00~4:00、文化放送が2:00~5:00が放送休止の時間帯でした。私の方では3:00頃から5:00頃は妨害が弱くなっているので、おそらく2:00~3:00は両方がキャリア状態で、3:00過ぎからはどちらかがテストトーンなどに切替えたのだろうと思います。いつも妨害の状態が同じでなかったのはこの2つの局の状態の組み合わせによって妨害の状況が変わっていたからなのでしょう。FROがうまくいかないのが混信のためといいますが、同一周波数の混信だけでなく、こうした関係もかなり影響がありそうです。

おまけですが、この時間帯には時々はっきりした飛行機によるエコーが記録されるのですが、これもスカイツリーからの90.5MHzと91.6MHzの仕業とわかりました。


ところで、91.6MHzに1.1を足すと92.7MHzになるのですが、92.8MHzを受信していると、時々すぐ下の92.7MHzに正体不明のノイズが現れて観測が困難になるようなことがあります(昨晩も)。これも原因は同じかもしれません。


コメント

_ いわき市 N.K ― 2021年09月14日 10:50

こんにちわ。当方、昨日からLiveの周波数を53.775MHzから89.4MHzに変更しました。いわきではスカイツリーの電波を受けることは無いと思いますが情報を注視したいと思います。現役時代はカーオーディオの受信機を設計してましたが、当初は感度追求でしたが、そこそこ行くと次は混信対策でした。そして次は相互変調対策で、これが最後まで難関でした。実車性能チェックで当時東京タワーの周りを何回も周回して相互変調の性能試験を繰り返しました。不審車として警察に止められたことも有り、車内に半田鏝や測定器が有ったのでスパイではない事説明して納得を得るのに苦労しました。AMでは埼玉県久喜のNHK AM送信所直下でTBSやニッポン放送が受信できるか等 苛酷実車試験を思い出します。

_ 狩野@渋川 ― 2021年09月14日 15:30

桂さん
コメントありがとうございます。
1年以上悩んでいてようやく原因がわかった感じです。
桂さんの現役時代のお話興味深く読ませてもらいました。
いろいろとエピソードがあったのですねえ。
新製品を開発するのがどんなに大変なことなか
よくわかりました。
それから、89.4MHzの画像を見させてもらいました。
まだ、アンテナは53MHz用をお使いなのでしょうか。
それでもよくエコーが入っていますね。
桂さんが加わって関東近辺も3局になったので、
またいろいろとわかることも出てきそうです。

_ いわき市 N.K ― 2021年09月14日 16:47

追記、
 89.4MHzは所定のエレメント長に合わせた専用簡易ダイポールです。ビニール電線の自作です。

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