やはりペルセはすごかった2023年08月15日 17:36

ペルセウス座流星群のピークが過ぎたようです。昨日は明らかにエコーが減少しており、各周波数を見るとやはり13日が最もエコー多かったのがわかります。ただし89.4MHzの10日については異常にエコーが多く、改めてHROFFT画像を見直してみたところ、どうもエコーの様子がおかしいです。


下の画像で見ると30Hzほど離れてロングエコーが二重になっているのがわかります。また他のエコーも上下の散らばりが大きく、一致するエコーがほとんどないことから、ソウルから離れた場所(北朝鮮?)の電波を同時に受信しているように思えます。


従って、89.4MHzについては10日のデータはあまり参考にならないと考えた方が良さそうです。ということで今回のペルセウス座流星群を最もはっきりと捉えたのは普段サブとしている92.8MHzでした。13日のエコー数は2320個で今年の最高記録でした。今回は水平偏波よりも垂直偏波の方が良かったのかもしれません。


ところで今回のペルセウス座はあまり条件が良くないので、ロングエコーも例年よりも少なくなるのではないかと思っていたのですが、89.4MHzでカウントした結果は13日(JST)が64、14日が69(20秒以上のロングエコーを含むファイル数)でこれは昨年とほとんど同じでした。なお、1分を越えるロングエコーは13日、14日ともに12個出現しており、これも昨年とほぼ同数です。まさにペルセウス座は「腐っても鯛の骨」といったところです。

本日午前11時53分過ぎ、特大の4分越えエコーがありました。当然ですがペルセ群かどうかは不明です。


アトラクス赤道儀のグリスアップ2023年08月19日 22:12

6月にアトラクス赤道儀のウォームの調整を行ったのですが、グリスが固まりぎみだったのと、調整後も高速回転をするとウォーム一周ごとにギヤの音が変わる(ギアの当たりが適切でない)状況が見られたため、再度調整とグリスアップを行うことにしました。
まずは時角目盛盤の穴に二つのヘキサレンチを差し込み、回転させながらさらに奥にあるかに目穴を探します。レンチがかに目穴に入ったら左に回転させると極軸望遠鏡が外れます。



その後、時角表示板周辺の円形パネルとその下のモーターカバーを外すと極軸のウォーム部分にアクセスできるようになります。


ウォームギヤを回転させながら楊子で古いグリスを除去し、二硫化モリブデン入りのグリスをウォームホイールに少しつけては少し動かしを30回ほど繰り返して全周に塗布しました。その後順方向、逆方向に各一周程度高速回転を行いグリスをなじませました。


乾いたような感じのグリスだったのがしっとりとしました。


その後北側のパネルを外してウォームブラケットの固定ねじを緩めます。アーチ型をした部分は改造前の円形モーターが入っていた所です。オリジナルのモーターではモーターに取り付けられた小ウォームで初段の減速を行い、次いで極軸のウォームを駆動するという方式でした。


ウォームを高速回転させ、音の出方を聞きながらウォームブラケットの押さえ具合やねじの締め具合を調整しました。どうも前回ねじを強く締めすぎたようで、調整後はうなりのような音は出なくなりました。

次いで赤緯側を確認します。カバーを開けてみると赤経側に比べてグリスの劣化は進んでいないようでしたが一応グリスを追加することにしました。赤経側に比べてウォームホイールが全て見えるのでグリスの塗布も簡単です。


赤緯軸のベアリング部のグリースは適当な粘度もあってまだオーバーホールが必要なほどではないようです。作業を始めて3時間近くかかりましたがこれで一応完成としました。まだ実際の星を見ながら確認しないと本当に上手く調整できたかはわからないのですが、このところずっと夜は晴れません。晴れてくれー


共有PCが見えない・・・何とかクリア2023年08月25日 15:31

現在電波観測用のPC(4台)とメインのPCをファイル共有して使っているのですが、先日HPを更新するためにRmob Surbeyで各観測用PCのRMOBファイルを読みに行ったところ、89.4MHzは読めたものの、VORはネットワーク上に見えたり見えなかったり、92.8MHzはアイコンが全く出てきません。
以前もそんなことはあったので、PCやルーターを再起動してみたのですが上手くいきません。ネットでググった方法も試してみたのですが、これもだめで数日そのままほったらかしにしていましたがやはり治る様子は見られません。それで改めてネットを調べるとまだやっていない方法が見つかり、これを適用した結果めでたく解決しましたので報告します。
スタートボタンから→windows システムツール→コントロールパネル→プログラムと機能→Windows の機能の有効化または無効化 と進み、SMB 1.0/CIFS ファイル共有のサポート全ての項目にチェックを入れて再起動します。


これで今まで見えていなかったVORや92.8MHz用PCがネットワークに表示されファイル共有ができるようになりました。情報をUPしていただいた方に感謝です。
いままで調子が良かったのが急に悪くなるというのはどうもWindows updateが原因のことがあるようです。

西村彗星(C/2023 P1)を撮りました2023年08月26日 15:51

静岡県掛川市の西村さんが8月13日に2021年のC/2021 O1に次いで3個目となる新彗星を発見したことを知りました。現在この彗星はふたご座の付近にあり、午前2時過ぎには東の空に昇って来ます。月齢を考えると29日頃までが撮影のチャンスのようです。つらい時間ですが何とかこれを撮影したいと思いました。
しかしこのところの群馬の夜は全くといっていいほど晴れません。さらに午前3時40分の薄明開始でも彗星の高度は15度ほどしかないのです。ただGPVでは26日の未明は多少晴れ間が出るという予報だったのでこれを信じて準備を始めました。すると次第に雲が切れ、透明度の良い空が見えてきました。これが東の方まで広がってくれればと願っていたのですが、やはり低空はなかなか雲が取れず、1時間撮影してまともに写ったのはこの1枚のみでした。左に写り込んでいるのは住宅の屋根です。上を天の北にして撮影しています。


カメラのモニター上では青緑色にとても明るく見えていましたが、9月17日の近日点に近づく頃は2等星の明るさになるようです。太陽に近づくとまた何が起こるかわかりません。例のアイソンのように分裂して消えてしまうか、あるいはマックノートのように昼間でも見える彗星になるか・・・楽しみがまた増えました。

それにしても世界各地に自動掃天カメラが設置され、彗星のほとんどがそうしたシステムで見つかるようになる中で、西村さんのこのところの発見は本当に素晴らしいことだと思います。

撮影のデータはこちらで。なお一昨年のC/2021 O1の写真はここにあります。

FRO各周波数で一時的停波か2023年08月31日 12:57

本日朝9:20頃から11:20頃にかけてFROでの流星エコーが消失する状況が見られました。これについては89.4MHz、92.8MHzだけでなく、92.5MHz、97.0MHzでも同様で、恐らく一斉に停波したのではないかと思われます。




これまでも年に数回こうしたことがありました。点検修理ならば個々の周波数ごとに停波するでしょうから、恐らく韓国側の電波を一斉に止めて北朝鮮からの電波の状況を確認したのかもしれません。